私が当院を初めて知ったのは、臨床工学技士養成校に在籍していた頃でした。その当時身内が狭心症を発症して当院で心臓カテーテル治療を受けたのですが、お見舞いで訪れた際に偶然会話をしたのが、現在の私の上司でした。私が「臨床工学技士を目指している」という事を伝えると、当院で臨床工学技士がどのような業務を行っているか院内を案内しながら詳細に話してくれました。当時の私は、臨床工学技士がどのような仕事を行っているのか漠然としたイメージしか持っていませんでした。しかし、この時に聞いた話や院内の見学を通して、当院で臨床工学技士が行っている具体的な業務を知り、その内容に大変魅力を感じました。また、最新の医療機器と設備を備えており、内科・外科が緊密な連携を取りながらハートセンターとしての機動性を活かして検査や治療を行っている点にも魅力を感じ、私もそのチームの一員として働きたいと思いました。
当院では心臓カテーテル検査や治療の際、臨床工学技士が医師の手技の補助や血管内超音波装置(IVUS)の操作などを行っています。この業務において求められる知識・技術は多岐にわたりますが、臨床工学技士としての専門性を大いに発揮する事のできるフィールドでもあります。このような場において、チームの一員として他職種とも協力し合い、小さな改善や工夫を積み重ねながら日々の治療に主体的に参加する事により、患者さんに対してより安全で質の高い医療を提供していく事、そこに私は大きなやりがいを感じています。
日々の業務の中で、患者さんから「よつば循環器科クリニックに来て良かった」というお言葉を頂く事があります。このことは何より嬉しく、スタッフの1人としてここで勤務していて良かったと思う瞬間でもあります。 また、より良い仕事を行っていく上でコミュニケーションがとても重要なことだと思いますが、その点において当院は、職種を問わずスタッフ間のコミュニケーションが活発で職場の雰囲気も明るく、クリニック全体がまるで1つの家族のようでもあります。このような環境下で良い人間関係を築く事ができ、チームの一員として業務を行えている事も、勤務していて良かったと思える点の1つです。
臨床の現場では、学校で学んだ事や教科書に載っている事だけでは通用しない場面にしばしば直面します。例えば心臓外科手術における人工心肺装置の操作では、装置の操作方法や各パラメータの正常値などについては知識があるかもしれませんが、実臨床では1人として同じ病態の患者さんはいないため、症例や場面ごとに臨機応変で適切な対応を行う必要があります。
自分の持つ知識や経験だけでは対応する事が難しい場面に直面した時、先輩たちからのアドバイスは問題解決の大きな助けとなります。得たアドバイスから自分なりに考えをまとめて問題に当たる事で、少しずつ最適な対処方法を見出していく事が可能となります。このような場面を乗り越える事で得られた経験は、その後直面する様々なシーンで活かす事ができ、自らの力となります。
医療現場で仕事をしている限りこのような場面に直面する事は避けられませんが、失敗を恐れず、先輩たちから助言を得ながらその都度自ら考えて対処していく事で、今後も1つ1つ乗り越えていきたいと思います。
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出勤 着替え |
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人工心肺回路の組み立て |
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患者さん搬入 |
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心臓外科手術開始 人工心肺操作業務 |
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患者さん搬出 |
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昼休憩 |
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心臓カテーテル業務 |
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翌日の準備・情報収集 |
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終業 |
当院では、昨年からペースメーカー検診やペースメーカー植え込み術の補助などを行う「ペースメーカー関連業務」に臨床工学技士が携わり始めました。この業務を臨床工学技士の業務としてしっかりと確立させる事が、私のこれからの目標です。最近のペースメーカーには様々な機能が備わっており、それらをしっかりと理解した上で患者さん1人1人にとって適切な設定を行っていく事が重要になります。そこで、研修や勉強会に積極的に参加する事によってペースメーカーの各種構造・機能やトラブルへの対処方法など、実臨床に活かす事のできる知識を身に付けるよう努力しています。また、日本臨床工学技士会認定の不整脈治療専門臨床工学技士の資格取得も目指しており、より高いレベルの医療を提供できるよう励んでいます。
このような業務の構築を通じ、自らもスキルアップするとともに、患者さんに対して安全でより良い医療を提供する事ができるよう、今後も努力していきたいと思います。
当院は循環器内科と心臓血管外科を有しており、両科それぞれに関連する臨床工学技士の業務を幅広く経験し、知識・技術を習得する事ができます。私たちは、より安全で高いレベルの医療を提供するため、各学会への参加・発表や各種資格の取得を積極的に行い、切磋琢磨しながらキャリアアップに努めています。
最初は不安な事も多いかもしれませんが、経験豊富な先輩たちをはじめ、他職種のスタッフも親身になってしっかりとサポートしてくれるため、きっと充実した職場生活を送る事ができると思います。
循環器系の業務に興味のある臨床工学技士のみなさん、私たちと一緒にエキスパートを目指してみましょう。

- 臨床工学室 臨床工学技士(常勤) 中途採用