肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌肺炎とは?

「肺炎」には多くの種類がありますが、お年寄りに多いのが「肺炎球菌肺炎」です。肺炎球菌肺炎は重症化しやすいので予防が重要です。予防には「肺炎球菌ワクチン」の接種が効果的です。

1. お年寄りに多い肺炎球菌肺炎

2001年の1年間、日本では約8万5000人が「肺炎」で亡くなっています。そのほとんどは65歳以上のお年寄りです(厚生労働省調べ)。細菌やウイルスなど目に見えない微生物は数多くいますが、肺炎を引き起こす肺炎球菌はその細菌の中の一つです。
細菌による肺炎の中では、「肺炎球菌」による肺炎が最も多く、ある病院の調査では、60歳以上の肺炎のおよそ半分は、「肺炎球菌」によるものでした。

2. 子どもの多くが肺炎球菌を持っている

肺炎球菌は、特に珍しい細菌ではありません。生後6ヶ月から4歳までの子どもの半数以上が、肺炎球菌を持っています。慢性的な肺の病気がある人の多くも、肺炎球菌の保菌者です。
肺炎球菌は、飛沫(ひまつ)感染(くしゃみなどを通じて起こる感染)により広がります。幼稚園児くらいまでは、子ども同士で肺炎球菌がやりとりされるので、菌を保持する子どもの数が多いと考えられます。普通、小学校高学年以上になると、肺炎球菌に対する抗体ができるため、保持する肺炎球菌は徐々に減っていきます。

肺炎球菌を持っていると必ず肺炎になるというわけではありませんが、肺炎球菌が原因の肺炎は重症化する傾向があります。

3. 肺炎が起こる仕組み

肺炎の多くは、風邪やインフルエンザをきっかけとして引き起こされます。
健康な気管支は、細菌が進入しても、粘膜の表面に生えている無数の「線毛」の働きによって、細菌をのどへ排出し、肺炎が起こらないようにします。これを自浄作用といいます。
しかし、粘膜の自浄作用が弱っていると、細菌の排出が十分にできません。例えば、インフルエンザウィルスに感染すると、ウィルスが気管支の粘膜の細胞の中で増殖し、線毛が剥がれ落ちて、粘膜の自浄作用が失われます。そこへ肺炎球菌が侵入すると、外へ排出できないで増殖を繰り返し、肺の奥へと入り込み、肺炎を引き起こします。特に、体力が落ちている時やお年寄りになって免疫力が弱くなってくると、感染しやすくなります。

健康な気管支の粘膜

粘膜の表面に生えている無数の線毛が、気管支へ細菌が入ってくると、のどへと送り出すように動く(線毛運動)。

ウィルスに感染した粘膜

インフルエンザウィルスなどに感染すると、ウィルスが気管支の粘膜細胞の中で増殖し、線毛が剥がれ落ちる

肺炎球菌が侵入

むき出しになった気管支の粘膜は肺炎球菌をのどへ排出できず、肺炎球菌は増殖して肺の奥へと入り込む。肺炎が起こる。

   

4. 料金

当院までお問い合わせください。


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