放射線室のご紹介
技師長ごあいさつ
全員で正確な撮影・画像解析と
スピーディーな画像提供を目指しています
当院では4人の放射線技師が勤務しています。主な仕事は、CT撮影と画像解析の読影補助、核医学検査、単純X線撮影、カテーテル治療中のIVUS操作などです。放射線室では正確な撮影・画像解析と医師へのスピーディーな画像提供を常に目標として掲げています。
当院の放射線室業務の中心は、心臓CTの撮影・画像解析の読影補助になります。心臓CTの結果によって、患者さんの今後の治療方針が決定されるため、検査結果の報告にあたっては、技師ごとで評価が違っては困ります。病変部の評価において判断が難しいときには、互いに相談しながら統一性のある評価を行うことを心がけております。さらに撮影・解析した画像は画像通信システムによって、すぐに医師の元へ配信されます。この仕組みにより撮影から診断の時間を最小限にしております。
診療放射線
技師長
業務内容
CT検査
装置:TOSHIBA社製320列CT装置
従来のCTでは、動きの速い心臓を撮影する事は困難でしたが、320列の高速回転のCT装置を使用する事により鮮明な画像を得る事ができるようになりました。検査は、腕の静脈より点滴ルートを確保し、そこから40~60cc前後の造影剤を注入しながら撮影をします。その後、専用の画像解析装置を用いて、冠状動脈や大動脈の動脈硬化や石灰化を描出し病変部位やその程度を評価します。
心臓のCT検査は、多くの施設で行われるようになっております。当院でも1日平均8人前後の撮影を行っております。撮影後の解析においては医師に正確な情報を提供することを目標に、狭窄の場所や重症度はどうかといったことを放射線科医師と検討を行い、日々改善を繰り返しております。現在CTから得られる画像は、血管内カテーテル治療において重要で有り、特に完全に閉塞している血管の情報を治療前に提供できることで、治療前シミュレーションに役立っております。不整脈患者さんに対する治療においても、左房の形状を術前に作成する事により、奇形の有無等の情報を、医師やカテーテル室スタッフに知らせる事で治療の助けになっています。
● CTO(慢性完全閉塞)症例
カテーテル検査時には映し出されていない部分も、CT検査では表示が可能になります。
● ASD(Atrial Septal Defect)心房中隔欠損症
● カテーテルアブレーション時に参考となるCT画像
● 下肢動脈造影CTの例
核医学検査
装置:東芝社製Symbia_E
RI検査ともいわれる検査です。最初に、ガンマ線(人体にとっては無害レベルの放射線)を放出する薬剤を静脈に注射します。すると、その薬剤が臓器や病変部に取り込まれガンマ線を出します。検査中はガンマカメラというカメラが体の回りを回転しており、この体から放出されるガンマ線をキャッチして画像に変換していきます。この画像を解析することで、臓器の働きや血流の動きが正常であるかを細かくみることができます。当院では、心臓のRI検査を中心に、脳・肺・腎臓など様々な臓器の検査を行っています。
撮影自体は20分程度で終わります。検査によっては心臓に負荷をかけて行う場合があり、負荷後と安静時で1日2回撮影することもあります。撮影中は仰向けで安静にした状態で行います。
● RI検査で表示される画像
Polar map display あるいは Bull‘s eye display と言われるもので、立体の心臓を平面で表現します。ちょうど地球儀を平面の世界地図にするようなイメージです。正常な血流が保たれている部分は赤で表示され、悪くなるにつれ黄、緑、青と表示されます。
● 症例
● CTとRIのフュージョン
CT、RIそれぞれの検査画像をフュージョン(重ね合わせ)することにより、ダメージを受けている心筋のどの血管が悪いのかを明らかにする事ができます。
胸部X線検査
装置:一般撮影装置。ポータブル撮影装置、DR(KONICA MINOLTA:AeroDR)
一般的にレントゲン検査と呼ばれている検査です。X線は体を通過するという特徴がありますので、その原理を利用して、体にX線を当て、臓器や気管などを画像として表現します。X線の通過量が多いところ(肺など)は黒くなり、少ない部分(骨など)は白くなります。例えば心不全になると、肺に水が溜まり肺の下の方が白くなってきます。心臓にも心嚢液が溜まり、普段よりも心臓が大きく写ります。